【バレエ映画】「ミッドナイトスワン」鑑賞後、バレエ関係者の感想&インタビューまとめ
9月25日のミッドナイトスワンの公開から一か月が経とうとしています。
映画の興行成績も上々、10月14日(水)に来場者数が30万人を突破したそうです。(全国151館来場者数合計 興行収入は累計、4億2,204万7,580円。)
ノベライズ本も重版を繰り返していてあらためて凄い映画だなと思います。
1度だけでなく、何度もミッドナイトスワンを観に行くことを「#追いミッドナイトスワン」というそうです。
考察を読んでから、もしくはネタバレ感想を読んでから、もう一度映画館にいくのもいいですね。
久しぶりの更新となりましたが、今回はバレエ関係者の映画公開後のネタバレ感想&インタビュー動画を2つ紹介させていただきます。
- 1.松浦景子さん「【見なきゃ損】映画『ミッドナイトスワン』感動&号泣しすぎたのでバレエの魅力について語ります!やっぱり・・・バレエ大好き❤」
- 2.映画『ミッドナイトスワン』バレエ大好きトークライブ【バレエ監修 千歳美香子 × バレエピアニスト 蛭崎あゆみ スペシャル対談】
1.松浦景子さん「【見なきゃ損】映画『ミッドナイトスワン』感動&号泣しすぎたのでバレエの魅力について語ります!やっぱり・・・バレエ大好き❤」
まず、けっけちゃんことバレエ大好き芸人松浦景子さんの動画から。
8月に参加させていただいた「オンライン試写会&宣伝サロン」の際に「映画の宣伝案をあらかじめスタッフにメールで送る」という課題があり、その時に実は「バレエ関係者にミッドナイトスワンを観て貰うために、松浦景子さんに動画に取り上げてもらう」という提案をしていました!
(残念ながら宣伝サロンで取り上げられることはなかったです。そりゃそうだ)
しかし、松浦景子さんは公開初日に映画をみて、動画を配信してくれました!
【見なきゃ損】映画『ミッドナイトスワン』感動&号泣しすぎたのでバレエの魅力について語ります!やっぱり・・・バレエ大好き❤
前半は「まだ観ていないへ向けてのメッセージ」、後半は「ネタバレありの感想」となっています。
「めっちゃ感動した。号泣した!」とのことです。
バレエを踊る人の熱い感想がネタバレありできけます。
後半は特にバレエをやっている人に絶対聞いて欲しい。
(おまけ)
人気の「バレエあるある」アレルキナーダ編も公開してますのでご紹介。
【あるある30】バレエあるある〜アレルキナーダ編〜バレエコンクール/ballet competition Harlequinade【ミッドナイトスワン】
2.映画『ミッドナイトスワン』バレエ大好きトークライブ【バレエ監修 千歳美香子 × バレエピアニスト 蛭崎あゆみ スペシャル対談】
ミッドナイトスワンのバレエ監修をした千歳美香子さんとバレエレッスン曲を提供したバレエピアニスト蛭崎あゆみさんのネタバレありのインタビューです。
千歳美香子さんは蒼井優がバレエを踊るシーンが有名な「花とアリス」のバレエ監修もされたそうです!
バレエピアニストの蛭崎あゆみさんのレッスンCDでレッスンを受けたことのある人は多いのではないでしょうか。
ミッドナイトスワンでは蛭崎さんのCDの中でも「大人っぽい曲」が選ばれたそうです。
Ayumi HIRUSAKI x Ayako ONO Music for Ballet Class 5
蛭崎あゆみさんのCDの紹介動画です。
新国立劇場バレエ団プリンシパルの小野絢子さんがデモストレーションで踊っている必見動画です。
いちど観た人も秋の夜長に#追いミッドナイトスワンをいかがでしょうか。
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#ミッドナイトスワンを広げよう
【バレエ映画】「ミッドナイトスワン」バレエシーン解説②「白鳥の湖」
いよいよ明日からミッドナイトスワンが映画館で観れます。
タイトルからもわかるとおり、この映画は背景に「白鳥の湖」の物語を感じさせるシーンがいくつもあります。
公開前に三大クラシックバレエのうちの1つの『白鳥の湖』のおさらいをしておきます。
よろしければお付き合いください。
バレエ白鳥の湖のあらすじ
悪魔の呪いで白鳥の姿に変えられたオデット姫と娘たち。
この呪いを解くただ一つの方法は、オデット姫がまだ誰も愛したことのない男性に永遠の愛を誓ってもらうことだった。
ジークフリート王子の21歳の誕生日にオデット姫と王子は出会い愛を誓う。
しかし、王宮の舞踏会が繰り広げられているところへ、悪魔が魔法を使ってオデットに似せた、娘オディールが現われる。王子はオデットとの違いに気づかず、彼女を花嫁として選ぶ。
悪魔に騙され、破られた愛の誓いを嘆くオデット。
そこへ現われた悪魔に王子はかなわぬまでもと跳びかかった。激しい戦いの末、王子は悪魔を討ち破るが、白鳥たちの呪いは解けない。絶望した王子とオデットは湖に身を投げて来世で結ばれる。
ミッドナイトスワンで踊られた白鳥の湖の踊り
1.四羽の白鳥の踊り
ショーパブで凪沙が踊る白鳥の踊りは『四羽の白鳥の踊り』です。
優雅にみえる白鳥達が水中ではせわしなく水かきを掻いて泳ぐ様を表現した踊りです。
コントなどで扱われることもあり、有名な踊りかと思います。
ショーパブで凪沙は赤いシューズで四羽の白鳥(もどき?)踊ります。
本来はタイツと同色のシューズで踊られるその踊り。
シューズの赤がとても印象に残りました。
このシーンだけではなく、凪沙の身に着けるものの「赤」は決意を感じさせる色として映画を彩ります。
2.オデットのヴァリエーション
一果がコンクールで踊る白鳥のお姫様の踊り。『オデットの踊り』
ジークフリート王子との出会いのシーンで踊られるオデット姫の踊りです。
このオデットの踊りは派手な回転などはないのですが、とても難しい踊りです。
手足が長くないとどうしても物足りなくみえてしまう踊り手を選ぶ演目です。
内田監督が一果役に新人の服部樹咲さんを抜擢したのもオデットに見合うからだと感じました。
「オデットは強い意志がないと踊れない」といわれます。
映画の中でこの言葉を思い出しました。
ミッドナイトスワンの中の白鳥の湖
ミットナイトスワンで白鳥の湖は呪いと希望の象徴のようにみえます。
この映画にはジークフリート王子はでてきません。
凪沙は女性ではない身体を抱え、「なんで自分たちだけこんな目にあうんだ」と叫び、もがき苦しみます。まるで呪いによって本来の姿を奪われた白鳥のようです。
それでも白鳥の湖と同様にオデット姫(一果)が白鳥達(凪沙)の一筋の希望になる、そんな物語だと思いました。
ミッドナイトスワンの背景にある白鳥の湖は「白鳥達にかけられた呪いの物語」であり、凪沙の背景にみえる白鳥の湖は「白鳥と人の狭間でもがき足掻き必死に生きる物語」であり、そして「オデット姫に希望を託す物語」なのではないでしょうか。
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#ミッドナイトスワンを広げよう
『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』
【バレエ映画】「ミッドナイトスワン」インタビュー&コメントまとめ
朝夕は涼しくなりもうすっかり秋ですね。
秋の夜長に映画を観るのはいかがでしょうか。
9月25日に公開される映画「ミッドナイトスワン」について、バレエ関連のインタビュー記事やコメントをまとめました。
少しでもご興味が沸いたら是非レッスン帰りに映画館に立ち寄ってくださいね。
#ミッドナイトスワンを広げよう
- 1.『ミッドナイトスワン』内田英治監督インタビュー(チャコット)
- 2.バレエ監修の千歳さんとレッスン曲提供の蛭崎さんにインタビュー(メディアフォリジャポン)
- 3.バレエ教師の片平実花役の真飛聖さんインタビュー記事(バレエチャンネル)
- 4.ミッドナイトスワン公式に掲載の各界からのコメント
まずは映画監督のインタビュー記事から
1.『ミッドナイトスワン』内田英治監督インタビュー(チャコット)
内田監督がバレエに惹かれたきっかけになったのは、新国立劇場バレエ団の「ロミオとジュリエット」。しかも今でも語り継がれる熊川哲也さんが急遽代役でマキューシオを踊ったマクミラン版の新国での初演と時のようです。
「急遽の代役で国内にマクミラン版マキューシオを踊れるダンサーがいなかったので、海外から熊川哲也さんに日本に戻ってきてもらい、公演前日からリハーサル。そんな状況にもかかわらず熊川哲也さんはすごかった」という話をこの公演にでたバレエの先生からこの間聞いたばかりでした。
2.バレエ監修の千歳さんとレッスン曲提供の蛭崎さんにインタビュー(メディアフォリジャポン)
インタビュー - Mediaphorie [メディアフォリ]
映画の中に「オデットは審査員の目が厳しくなるわよ」というようなセリフがあり、リアルだなと感じたのですが、千歳美香子さんの監修の賜物なのかもしれません。
バレエに関するセリフがリアルな映画でした。
そしてバレエピアニストの蛭崎あゆみさんのレッスンCDが映画の中に使われています。
公開後の9月26日21:00~ YouTubeでトークライブを配信するそうです。
参加はYouTubeチャンネルから▶️https://bit.ly/2EgQIOo
映画『ミッドナイトスワン』バレエ大好きトークライブ【バレエ監修 千歳美香子 × バレエピアニスト 蛭崎あゆみ スペシャル対談】 ※ネタバレあり
3.バレエ教師の片平実花役の真飛聖さんインタビュー記事(バレエチャンネル)
真飛聖さんは元宝塚のトップ役であり、宝塚でのバレエレッスンはもちろんのこと、過幼少期はバレエダンサーを目指してレッスンを受けていたとのこと。
今回役にのぞむため、バレエを再開したそうです。
https://balletchannel.jp/11059
4.ミッドナイトスワン公式に掲載の各界からのコメント
バレエダンサーさん達のコメントを引用します。
Altneu(酒井はな×島地保武)
(ダンサー・振付家)
愛は様々なところに潜み、触れられるとかたちを変える。
脆くやさしく嘘が嫌いで温かい。『私』を貫きたくなる映画です。
上野水香
(東京バレエ団プリンシパル)
人の愛、孤独、美、そして哀しさの折り混ざった壮絶なドラマは、涙なしには観られませんでした。稀有な才能は人に情熱と破滅の境を彷徨わせる。
草彅剛さんの演技が素晴らしい
小野絢子
(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
深く傷つきながらも人を想い夢に向かって進んでいく彼女達の姿はあまりに美しく眩しかった。
人がこの社会で各々人間らしく生きていく事はどうしてこうも難しいのか。是非多くの人に見てもらい、共に考えたいと思う。
山本康介
(バレエ振付、演出家)
バレリーナを目指すというテーマを通して、日本ではまだまだ認識の薄いLGBTや学歴や芸術、音楽への奨学金といった制度の確立を考えないといけない!
苦しまなくて良い人たちが苦しんでいる現実を考え直すチャンスだと思います。
宮尾俊太郎
(バレエダンサー)
希望へと導き、時として絶望にさえ向かわせる芸術の世界。
与えられた運命の中もがき、懸命に生き、愛を見つけていく姿は尊くて美しい。
本島美和
(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
ショーパブで踊られる‘四羽の白鳥’、ラストの美しい‘オデットのソロ’。
100年以上前に作られた古典バレエの名作「白鳥の湖」の度量に驚かされ、
またそのメロディーに載せて、一果の夢、凪沙の愛が昇華していくラストに心が震えました。
飯島望未
(バレエダンサー)
ネグレクト 貧困 差別など本当に様々な問題が描かれていてそれらを凪沙は一果の唯一の光だったバレエを奪いたくない気持ち、一果の母になりたいという真っ直ぐな母性愛で全てを吸収しているように感じました。
お互いに孤独だったからこそ共有出来る愛があるのだなと思いました。
この映画ではバレエの描写は女の子だけの世界ですが、バレエはジェンダーの役割がはっきり区別されているジャンルのダンスだと思います。
私自身ジェンダーやバレエの在り方について考えさせられました。
一果の踊りが美しいのはもちろん、音楽もとても温かく心地いいけれど、どこか影があるような心にグッとくるピアノ曲でした。
是非この悲しくも美しい物語を多くの方に観て頂きたいです。
福岡雄大
(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
1人は偏見や女性である心と身体の葛藤に苦しむ。
もう1人は複雑な家庭環境により心を閉ざした。バレエに出会い、2人がそれぞれの人生の中で交錯する事による、舞踊への想い。それにより心を開き始める2人。
いかに『身体』と『心』が大事な事かと痛感させられた映画。
衝撃的で感動的な終わりが印象的でした。
近藤良平
(コンドルズ主宰、振付家、ダンサー)
いつもは滅多に泣かないのに、不覚にも踊りで泣いてしまった。
細い光の向こう側にとっても大切な「踊りの神さま」が見えた気がします。
「そして踊ることを止めてはいけない!」と深く思いました。
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#ミッドナイトスワンを広げよう
『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』
【バレエ映画】「ミッドナイトスワン」バレエシーン解説①「アレルキナーダ」
数多くの方に前回の記事を読んでいただきました。
本当にありがとうございます。
ブログランキングもなんとバレエカテゴリで2位となりました。
ご協力いただきありがとうございます!
9月25日の公開までに、少しでも多くの方にミッドナイトスワンを知って貰うため、引き続きバレエ目線の映画の記事を書かせていただきます。
今回の記事では、ミッドナイトスワンをこれからみる人や、ミッドナイトスワンを観た人がより深く作品を考察できるように、作中にでてくるバレエ「アレルキナーダ」の作品を紹介したいと思います。
(「白鳥の湖のオデット」については、近日中に書きます。)
実は、前記事「 バレエ映画「ミッドナイトスワン」オンライン試写会」にて
「アレルキナーダは悪戯好きの妖精なんです。」としれっと大嘘を書いてしまいました。
この踊りは「悪戯好きの妖精のような雰囲気で踊る」ともたしかにいわれてますが、ストーリーは一果ちゃんが踊るコロンビーヌと、その恋人のアルルカンとのラブストーリーです。まるで絵本のような世界観の喜劇です。
~アレルキナーダのあらすじ~
コロンビーヌ(一果ちゃんが踊る役)にはアルルカンという恋人がいます。
ただ父親はコロンビーヌをお金持ちと結婚させたいので2人の付き合いを反対しています。
ある日2人は父親に内緒で逢引きをしていると、コロンビーヌの父親に見つかります。
父親は従者に命じてなんとアルルカンを窓から突き落とさせて殺してしまいます。
でも、死んだアルルカンは女神が生き返らせてくれます。
さらに女神に貰った魔法のスティックの力で、アルルカンはお金持ちになり恋を成就させます。
コンクールで踊られているアレルキナーダの動画です。
バレエ芸人松浦景子さんの動画です。
人差し指を立てて口に当てる「内緒!」のポーズが可愛らしい踊りです。
※この先の記事は多少のネタバレを含みます。ご注意ください。
映画をみた感想として、このアレルキナーダの踊りは一果とその親友のエピソードを暗喩しているように感じました。
内田監督が本当はこの踊りにどのような意味をもたせたかはわかりませんが、このストーリーや踊りを知っていると、ちょっとだけ映画の楽しみが増えるのではないかなと思います。
ミッドナイトスワンは「2人のバレエ少女達の物語」でもある。
映画には桜田一果(服部樹咲)の親友として、松田りん(上野鈴華)が登場します。
りんは、一果のクラスメイトでバレエ教室で一緒に踊る仲間です。
一果がコンクールでアレルキナーダを踊る時に、りんは別の場所にいます。
でも一果がコンクールで踊り始めるのと同時にアレルキナーダを踊り始めます。
踊りの中で同時に人差し指を立てて口元にあてる「内緒!」のポーズをとる二人には淡い秘密があります。
このシーンは、「凪沙と一果の物語」という本筋からは外れますが、印象深いシーンでした。そして衝撃も大きかったです。
ミッドナイトスワンには「一果とりんのバレエ少女の物語」も描かれています。
本当にバレエ好きにも観てほしい映画です。
ミッドナイトスワンには、細かいところに内田監督のこだわりや演出がたくさんあって、観た人それぞれが「このシーンがね」と語りたくなるような映画だと思います。
バレエ好きの人がたくさん観てくれて、ミッドナイトスワンのバレエシーンについて語り合うような楽しみ方ができたらいいなと思います。
「白鳥の湖」については後日。
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#ミッドナイトスワンを広げよう
バレエ映画「ミッドナイトスワン」オンライン試写会
少し時間がたってしまったのですが、8月23日に映画「ミッドナイトスワン」のオンライン試写会&オンライン宣伝サロンに参加させていただきました。
オンラインサロンのゲストはなんと主演の草彅剛さんでした。
25名の参加者とともに草なぎ剛さんとZoomでご一緒させていただくというすごい体験でした!
映画を観た衝撃が冷めやらぬうちにTwitterやFilmarks、インスタには感想を書き込んでいたのですが、やっと頭が整理できたので、こちらに記事を書かせていただきます。
「トランスジェンダー」×「バレエ」の映画
ミッドナイトスワン予告編
<公式あらすじ>
トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙(草彅剛)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く「ラブストーリー」。
虐待を受けて東京に住む親戚の凪沙に預けられた一果。
凪沙は新宿のショーパブで働くトランスジェンダーだった。
傷ついた者同士が、一緒に暮らしながら、少しずつ心を開いていき、母と娘のような感情を抱いていく。
映画はショーパブでスワンの恰好で踊る凪沙からはじまり、コンクールの舞台で踊る一果のオデットで終わる。
是非、バレエ好きの皆様にも観てほしい。
草なぎ剛演じる凪沙については、すでにたくさん語られていると思うので、一果ちゃんについて中心に語らせていただきます。
一果ちゃんは虐待を受けて、田舎から東京の凪沙に預けられた姪っ子。
東京でバレエに出会い、才能を見いだされ、前向きになっていく。
凪沙にも徐々に心を開いていく。そんな役柄です。
一果役の服部樹咲さんはバレエコンクールの入賞歴のあるバレエ経験者。
しかもまったくの新人で演技経験のないひと。
監督さんは「バレエを踊れること(そしてオデットに似合うこと)」を重視して、オーディションで彼女を一果役に選んだのかなと思います。
この一果ちゃん、映画の中でアレルキナーダとオデットを踊ってくれます。
アレルキナーダ上手いです。作中だと1年もバレエをやっていない設定なのではないでしょうか。そこには目をつぶりましょう。
親友とのエピソードがアレルキナーダの踊りに意味をもたせています。ちょっとだけ内緒の関係なんです。オデットの踊りは、タイトルからもわかるように主人公凪沙とのエピソードで重要な位置づけです。
けっしてバレエを飾りとして扱っていないバレエ映画だなと思いました。
踊れる服部さんが一果を演じることで、公園や海辺で踊るシーンが切なく美しくて、辛い環境に身をおく凪沙が一果の踊りに、その未来に希望をみる気持ちがわかる。
アレルキナーダもオデットもバレエを始めてすぐに踊れるものではもちろんないですが、それでも一果のバレエが美しくあることは、この映画にとっての必要でした。
アレルキナーダを屋上で踊る一果の親友のシーンは、ネタバレになるからあまり書けないのですが、内緒!とやる振付が親友との関係を思い出させて、そのあとの展開がより衝撃でした。アレルキナーダは悪戯好きの妖精なんです。
重くて、切なくて、だからバレエが物悲しく美しい。
白鳥の湖は終わり方がバレエ団によって異なる。ラストが悪魔に負けてオデットは王子と湖に飛び込んでしまう物語では、コールドの白鳥たちはどうなるんだろう。永遠に呪いが解けず、最後の希望だったオデットも失って、暗い湖と森をさまよい続けるのだろうかと妄想したことがあります。
白鳥と人間の姿のはざまで、暗い湖から抜け出せずに白鳥たちは苦しむのかね。
女性の身体になり切れないトランスジェンダーの凪沙の演技をみながら、そんなことを連想してしまうくらい重い話でした。
映画の途中で2回泣きました。
感情がぐいぐい揺さぶられる映画です。
是非、バレエ好きの皆様にも観てほしい。
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【お薦めオンライン動画】自宅で簡単!芸人が教える楽しいバーレッスン【松浦景子さん】
こんばんは。暑い日が続きます。
私は電車が空いている平日の昼間に都内のスタジオに通っているので、移動する時が一番暑い時間になってしまっています。
コロナ禍という非常事態から普及してきたオンラインバレエレッスンですが、オンラインとスタジオという二つの選択肢がある現状はすごく有難いものだと感じています。
週1~2回スタジオにいき、週1~2回おうちバレエをしている今年は珍しく夏バテもしていないです。
初めてオンラインレッスンを受ける人にお勧めしたい動画
今日はオンラインレッスンを生まれて初めてやるならばまずはこれ!
おうちバレエ初心者にお勧めしたい動画を紹介します。
【バレエ】自宅で簡単!芸人が教える楽しいバーレッスン♪初心者も上級者もOK❤️
バレエ芸人松浦景子さんのレッスン動画です。
スペース:たたみ1畳分 狭くても大丈夫
バレエバーがなくても、背もたれのある椅子で大丈夫。
松浦景子さんのお部屋にはバレエバーがあるのですが、椅子をバー代わりにしています。
時間:32分(トーク抜きの時間)
ウォーミングアップから一緒にやってくれます。
順番はシンプルで簡単です。
前もっての振りの説明がほぼなく右側を順番を説明しながらやります。
慣れないうちは先に動画をみて、振りを入れてから、動画を戻して一緒に右側、左側と動くとよいかもしれません。
内容:ウォーミングアップとバー
1.ウォーミングアップ
2.プリエ
3.ゆっくり1番タンジュ
4.5番タンジュ
5.ジュッテ
6.両手で早いジュッテ
7.ロンデジャンブアテール
8.フォンジュ・アンレール
9.フラッペ
10.アダジオストレッチ
11.グランバットマン
対象レベル: 簡単基礎クラス
この動画は「初心者で難しいことわかりませんという人から経験者まで」を対象にした基礎レッスンになっています。
とてもシンプルな内容ですが、「経験者の方も自分の身体を見直すチャンスとして使ってほしい。」「バーレッスンは簡単で緻密でゆっくりきついものをやるから体の芯ができる」とのことです。
松浦景子さんについて
松浦景子さんはご存じの方も多いと思いますが、吉本新喜劇に所属する芸人さんでありながら、バレエコンクールで1位になるほどバレエが上手な方です。
GW中開催したオンラインレッスンは総勢870名が参加しての大盛況でした。
お勧めポイント!
楽しくおうちバレエを始められます。
松浦景子さんの定番「バレエ大好き♪」も聞けるレッスン。
やはり芸人さんなのでしゃべりが上手で楽しい。声を聞きやすい。
以前からバレエの上達のコツを動画にまとめてYouTubeにアップしてくれていた松浦景子さん。わかりやすい楽しいアドバイスもたくさんあります。
フォンジュが苦手な人、またはその辛さがわからない人は、是非、動画の25:45~のフォンジュの説明を見てほしい!
Zoomレッスンを受ける前に自分のペースでおうちバレエを試してみたい人にもお勧めです。
緊急事態宣言のときに「怪我をしたくない、変な癖をつけたくない」とおうちバレエを避けていた人もこれであれば大丈夫かも。
でも家具に足をぶつけるなど思わぬ怪我には十分ご注意くださいね。
私はおうちバレエで空気清浄機を蹴とばすことが多いです。
↓人気バレエブログへはこちらから(外部リンク)
バレエ用床シートの選び方
こんばんは。
東京では今年初の猛暑日となりました。
明日から三連休ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
こんなに暑い日はエアコンが効いた部屋からでることなく、おうちバレエを楽しむのもよいのではないでしょうか。
引き続きオンラインバレエレッスンのお話です。
今日はおうちバレエに使うバレエ用床シート(リノリウム)について考えてみました。
バレエ用床シートの必要性
おうちバレエにおいて、バレエ用床シート(リノリウム)があるとないとでは大違いです。
フローリングの部屋だと床が滑って足裏が使いにくいし、トウシューズを履くのが危険です。
バレエ用床シートがないとバーや家具につかまって両足でポアントで立ってみるくらいしかできません。
カーペットだと滑ることはないけども、足先が引っ掛かります。
引っ掛かるのが嫌で後ろにタンジュをした時に床から足が浮いてしまい、お尻が使えないなんてことも起こります。
おうちバレエでは、大きく動けなかったり、階下を気にしてジャンプができなかったりと制約があるので、せめて足裏だけはしっかり使いたいと思ったら、バレエ用床シートを購入しましょう。
床が滑って怪我をする危険も減ります。
バレエ用床シートの選び方
サイズ 1.5m×90cmが使いやすい
バーレッスンだけであれば1.5m×90cmで十分です。
バレエ用バーを使わず、椅子につかまってバーレッスンをしているのであれば、移動もできないので、さらに小さ目サイズ(1m×90cm)でも大丈夫かもしれません。
これだけでもポアントを履いてのトレーニングがしやすいです。
センターレッスンもやる場合は、どのレッスンを受けるか、おうちバレエのためのスペースがどのくらい広いかによりますが、大人バレエの場合は2m×1.8mあるとおおよそストレスなく動けます。
私は最初1m×1.8mのバレエ用床シートをセンターレッスンでも使っていました。
とりあえず軸足だけ、滑らなければ大丈夫かと思ったのですが、たとえば、バランセで後ろに下がった時に足がバレエ用床シートから外れて、突然滑ることもありました。
センターレッスンをストレスなくやるならば、自宅のおうちバレエのためのスペースにあったサイズを選んだほうがいいのでしょう。
インスタグラムで見かけた男性プロダンサーさんは1.5m×90cm(おそらく)の床シートを4枚使い、お部屋で軽快にアレグロをしていました。
プロダンサーのためのオンラインレッスンだと広めの場所を必要とするクラスもあるようです。
厚さと重さ 厚いシートは重いが足に負担がかからない。
あまり気にしない人もいると思いますが、市販されているバレエ用床シートは1.5mm~3mmの範囲で厚さの違いがあります。
1.5mmのリノリウムはNBリュームという商品が有名です。
このバレエ用床シートはトウシューズで立った時の床の感触が3mmと比較すると固いです。
しかし、その分コンパクトに丸められて少し軽いです。1.5m×90cmで3kg程度です。
NBリュームは幅が91cmで販売しています。
NBリュームかはわからないのですが、
バレエショップのシェリ様で1.5mmの厚さの1.5m×90cmサイズのバレエ用床シートが購入ができます。
バーレッスンにちょうど良いサイズですね。
3mmのものはTMフロアが有名です。
3mmだとトウシューズで立つときの感触が柔らかいですが少し重め。
1.8m×1mで5kg程度です。
幅1.8mのものを好きな長さで購入できるショップが多いです。
↓↓ですが、ここのショップは1.5m×90cmで売ってくれます。
2.5mmのバレエ用床シートもあります。
これだけ試していないのですが、TMフロアの同等品だとのことです。
おうちバレエでVaの練習をしたいとか考えていなければ、1.5mmでいいのではないかなと思います。
薄いほうが軽くて丸めやすいです。ちょっと安いし。
見た目
実は4~5月の緊急事態宣言時、おうちバレエでVaの練習をしていた大人バレエの人達がいます。
4月のバレエコンサートに出演する人、5月に出演する人、6月に出演する人・・・と大人バレエのVa仲間はそれぞれ舞台前でした。
ごりごりVaの練習するためには大きいリノリウムがいい。
いちいち仕舞うのは重いから敷きっぱなしにしたい。
お部屋の雰囲気を損なわず、見た目よく、バレエ用床シートを敷きっぱなしにする方法が3つあります。
1.部屋全体にリノリウムを敷き詰める。
2.木目調リノリウム代用品を使う。(若干滑りやすいそうです。)
3.使わないときはバレエ用の床シートの上にラグカーペットを被せる。
1~3までそれぞれ大人バレエ仲間でやっている人を知っています。
「3」は私です。
ちなみに私のおうちバレエの床は↓↓↓こんな感じです。
バレエ床シートを1m買い足して、2m×1.8mでレッスンを受けています。
使わない時は無印良品のラグカーペットを被せてます。
残念ながら4月~6月にかけてのバレエコンサートは延期や中止になってしまいました。
でも私たちは7月下旬から8月上旬にかけて練習したVaを舞台で披露することができています。
舞台のある日常がこのまま続きますように!
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