バレエ映画「ミッドナイトスワン」オンライン試写会
少し時間がたってしまったのですが、8月23日に映画「ミッドナイトスワン」のオンライン試写会&オンライン宣伝サロンに参加させていただきました。
オンラインサロンのゲストはなんと主演の草彅剛さんでした。
25名の参加者とともに草なぎ剛さんとZoomでご一緒させていただくというすごい体験でした!
映画を観た衝撃が冷めやらぬうちにTwitterやFilmarks、インスタには感想を書き込んでいたのですが、やっと頭が整理できたので、こちらに記事を書かせていただきます。
「トランスジェンダー」×「バレエ」の映画
ミッドナイトスワン予告編
<公式あらすじ>
トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙(草彅剛)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く「ラブストーリー」。
虐待を受けて東京に住む親戚の凪沙に預けられた一果。
凪沙は新宿のショーパブで働くトランスジェンダーだった。
傷ついた者同士が、一緒に暮らしながら、少しずつ心を開いていき、母と娘のような感情を抱いていく。
映画はショーパブでスワンの恰好で踊る凪沙からはじまり、コンクールの舞台で踊る一果のオデットで終わる。
是非、バレエ好きの皆様にも観てほしい。
草なぎ剛演じる凪沙については、すでにたくさん語られていると思うので、一果ちゃんについて中心に語らせていただきます。
一果ちゃんは虐待を受けて、田舎から東京の凪沙に預けられた姪っ子。
東京でバレエに出会い、才能を見いだされ、前向きになっていく。
凪沙にも徐々に心を開いていく。そんな役柄です。
一果役の服部樹咲さんはバレエコンクールの入賞歴のあるバレエ経験者。
しかもまったくの新人で演技経験のないひと。
監督さんは「バレエを踊れること(そしてオデットに似合うこと)」を重視して、オーディションで彼女を一果役に選んだのかなと思います。
この一果ちゃん、映画の中でアレルキナーダとオデットを踊ってくれます。
アレルキナーダ上手いです。作中だと1年もバレエをやっていない設定なのではないでしょうか。そこには目をつぶりましょう。
親友とのエピソードがアレルキナーダの踊りに意味をもたせています。ちょっとだけ内緒の関係なんです。オデットの踊りは、タイトルからもわかるように主人公凪沙とのエピソードで重要な位置づけです。
けっしてバレエを飾りとして扱っていないバレエ映画だなと思いました。
踊れる服部さんが一果を演じることで、公園や海辺で踊るシーンが切なく美しくて、辛い環境に身をおく凪沙が一果の踊りに、その未来に希望をみる気持ちがわかる。
アレルキナーダもオデットもバレエを始めてすぐに踊れるものではもちろんないですが、それでも一果のバレエが美しくあることは、この映画にとっての必要でした。
アレルキナーダを屋上で踊る一果の親友のシーンは、ネタバレになるからあまり書けないのですが、内緒!とやる振付が親友との関係を思い出させて、そのあとの展開がより衝撃でした。アレルキナーダは悪戯好きの妖精なんです。
重くて、切なくて、だからバレエが物悲しく美しい。
白鳥の湖は終わり方がバレエ団によって異なる。ラストが悪魔に負けてオデットは王子と湖に飛び込んでしまう物語では、コールドの白鳥たちはどうなるんだろう。永遠に呪いが解けず、最後の希望だったオデットも失って、暗い湖と森をさまよい続けるのだろうかと妄想したことがあります。
白鳥と人間の姿のはざまで、暗い湖から抜け出せずに白鳥たちは苦しむのかね。
女性の身体になり切れないトランスジェンダーの凪沙の演技をみながら、そんなことを連想してしまうくらい重い話でした。
映画の途中で2回泣きました。
感情がぐいぐい揺さぶられる映画です。
是非、バレエ好きの皆様にも観てほしい。
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